翻訳家の人たちの話を聞いてみよう。

謎に包まれた職業…

翻訳家。
聞いたことはあるけど、仕事の実情については知らない人がほとんどの謎に包まれた職業である。
将来翻訳家になりたいと漠然と考えていても、実情を知らないうちに決めてしまうのは後悔する可能性があるでしょう。
そこで、翻訳家として活動している人に匿名で、翻訳家関係の転職について語ってもらった。
将来を決める基準として少しでも参考になれば幸いだ。

「翻訳は文章の行間を訳すのが仕事」と言われていますが…。

私の就業履歴は、「外資系企業の受付」や「日本企業の貿易業務」などの仕事です。
そんなことから外国語に興味を持ち、語学関連の仕事探しをスタートすることにしました。

 

「語学関連の仕事」と一口で言っても、内容は様々。
「教える仕事」、あるいは「通訳や翻訳」など。
翻訳に転職してみようと思ったのは、次の理由からです。
インターネットを使った仕事なので時と場所を選ばず、自分の生活のテンポに合わせて仕事をすることができる。
これは、私にとって大きなメリットです。
朝のドタバタ劇、例えば、あわてふためいてお化粧したりせずに静かな朝を迎えることができそうです。

 

さて、翻訳の仕事に就くためには何をしたらよいのでしょうか。
雑誌やネットで情報を集めて調べてみたところ、一般的な方法は「翻訳者養成スクール」へ通うこと。
翻訳会社が運営するスクールを選び早速、受講を開始しました。
授業のレベルは思っていたより高く勉強が大変で、日英と英日の両方のテストをパスしないと採用してもらえません。
英日はともかく、日英はちょっと難しすぎるのでは…。
いざ初めてみると、甘く見ていた英日の方が難しいという現実にガックリです。
英語表現と日本語表現の倫理的な違いに振り回されて、日本語の流れがしっくりしません。

 

悪戦苦闘しながら、どうにかコースを終了して翻訳者として登録を完了しました。(万歳!)
登録完了は嬉しいのですが、登録イコール仕事獲得ということではありません。
ここがフリーランスの辛いところで、実績があれば別の翻訳会社にも登録することができるのですが、まだ新米。
数週間後、仕事依頼の電話を頂いた時は嬉しさのあまり興奮ぎみに、友人に電話をしまくる始末。

 

興奮と緊張のあまり、原文(英文)を読んでも内容が頭の中を通り抜けてしまいます。
やらなくちゃという気持ちがプレッシャーとなって押し寄せ半ば、つぶれそうになりました。
最初は誰でもこんな状態でしょうか。
昼夜を問わず仕事が頭から離れません。
時間は経てど、遅々として進まない仕事。
一人で仕事をすることの大変さを痛感しました。

 

納期を死守することが使命と肝に銘じ、終わった時の解放感を夢見ながら机に張り付く数日間。
どうにか終了し、見直しもままならずファイルの送信。
解放感を感じるよりも、心を占領しているのは心配と不安感。
翻訳コースで指導してくださった先生のチェックが入るので、その点だけが救いです。
別の翻訳会社に登録するのは、まだまだ先。
こんな不安を引きずっているようでは、とてもムリです。

 

そんな思いで翻訳を始めてから、はや十余年が経ちました。
年数を重ねて肝がすわった感はあります。
しかし、やってもやっても難しさから解放されることはありません。
翻訳は行間を訳すのが仕事と言われてきました。
読み込むことの重要性を語った表現です。
分かったような気で油断すると、とんでもないことになります。
文章は残るので後々まで尾をひき、ごめんねですまない責任の重さ。
とは言え、続けていられるのは言葉の持つ魅力のおかげ。
これからもガンバって続けて行きます。

 

そのために、最近は様々なジャンルの翻訳ができるよう勉強しています。
特に注目しているのが、医薬翻訳。
ネットで調べていたら、今後多くの需要が見込まれるそうで、やるなら今のうちと思いました。
幸い基本は身に付いているので、医薬翻訳の通信講座で医薬分野の知識を勉強するだけで済みます。
翻訳関係の通信講座はいくつかあるようですが、まるっきり初心者の人はちゃんとスクールに通う方が良いですよ。
まずはそんな簡単なものではないでしょうが、初めての仕事を請け負えるレベルまで早くなりたいところですね。

翻訳家からオリンピックスポンサー企業の渉外部門への転身

大学時代4年間を海外で過ごしたこともあり、卒業後は日本に戻って翻訳家として書籍の翻訳を出版会社で主に行っていました。
自分にとっては大学時代の経験を生かすことができる非常に素晴らしい職業だと思っていました。
しかし、大学を卒業して10年、実際に自分のこれからの人生を考えたときに自分自身でもっと違った仕事ができないかと考えたわけです。
もちろん、翻訳家としての仕事にも充実感はあリましたが、私の場合は書籍や出版物と接しながらの翻訳であり、本当のコミュニケーション能力を磨くこともできなければ、発揮することもできません。
そこで実際に対人コミュニケーションを行いながら自分の翻訳家としてのキャリアそしてトータルの語学能力を磨くことができる仕事を探すことにしたのです。

 

年齢的にも30歳を過ぎたころであり、自分としてもこれが自分自身を変革する大きな転機だと感じていたことも確かです。
そして、転職活動を開始する前にどんな職業があるのか探し出しました。
ちょうどよいことに東京オリンピック、パラリンピックの開催も決まり、2020年に向けて海外とのコミュニケーションが高まり、さらに渡航する海外のお客様も4000万人を超える勢いで増え続けていました。
さらに日本人の語学力、英語に関しては教育の問題もあってか、本当に実践で使える方々の能力が低いとしか言えないのが海外からの評価。
これは翻訳家としての私のキャリアの中でもよく見えていたことです。
しかし、私は語学力はあるものの実践のビジネス経験がないまま。
大学卒業後すぐに翻訳家としてのキャリアしか積んでこなかったことがネックでした。

 

とはいえ、自分自身の語学力を生かしたいというのが私の信念。
そこでいくつかの業界に絞りました。
まず一つ目は旅行会社の商品企画部門。
これは海外の旅行会社との提携、またはホテルや自治体、施設とのコミュニケーションをはかりながら商品を作っていくものです。
そして2つ目。
きたる2020年の東京オリンピック、パラリンピックを控えスポンサー企業での広報、宣伝、渉外部門で活動するというプランです。

 

いずれも英語の能力は必須であり、かつ海外での出張も多く、渡航経験も必須の仕事です。
面接をいくつか受けた末、私のことを採用してくれたのはオリンピックのスポンサー企業の一つでした。
実際に仕事を始めてみると本当に海外とのコミュニケーションも多く、組織委員会や広告代理店との折衝、自社の海外部門との連係プレイなど本当に多岐にわたる業務で自分自身の語学力に加え、新たに否応なくコミュニケーション能力も実践の中で磨かれることになりました。

 

それから1年たちましたが、オリンピックが終わった後もスポンサー企業としての私の役割はこれからも続いていくと予測されます。
仮に今の語学力に加えコミュニケーション能力があれば、他の部門でも仕事を継続することが可能な自信もつきつつあります。

 

翻訳家になれるほどの語学力は、一般的に見てかなり高いと思って問題ありません。
その語学を活かせそうな、他にやってみたい仕事が見つかった時は、躊躇せず転職して良いと思います。

商品の取扱説明書中心の和英翻訳家から猫カフェスタッフへ!

私は子どもの頃から父親の仕事の関係で、イギリスとアメリカ、日本を行ったり来たりという暮らしをしていました。
その頃は転校するのが嫌で反抗期もありましたが、自然に英語が身に付いたことは今では感謝しかありません。

 

大学は国際交流関係を学んだのですが、希望する国連関係の仕事に就けず、知り合いからの紹介で日本の企業が作る家電製品の取扱説明書を英文に翻訳する仕事を始めました。
まだ若くてまじめだった私は、日本語の取扱説明書をただ英文訳するのではなくて、その商品を借りてきて目の前に置いて実際に扱いながら取扱説明書を英文に直していきました。
あまりお金になる仕事とはいえませんでしたが、他に興味のある仕事もなくまじめに取り組んでいたところ2年目くらいから評価されるようになり他の企業に紹介されるなどして仕事が増えていきました。

 

フリーランスの仕事というのは、引き受けていくとキリがなくて、また締め切りも当然あるため私は平日1日6時間をみっちり翻訳の仕事にあて、それ以上の仕事量にならないよう気を付けていきました。
もちろん急な依頼もあるので、1日12時間働くという日もたまにはありましたが、ほぼ仕事は落ち着き、収入も安定してきました。

 

そんなある日、大学時代のサークル仲間がお花見をするというので参加することになりました。
楽しくお酒を飲みながら話をしていると、仲間の数人で猫カフェを経営するといいます。
都内にある猫カフェオーナーが、病気のために閉店することになり猫や店舗ごと譲りたいということでした。
猫好きの3人がその話にのっていて、貯金を出し合ってその店を買い取って経営するのだとか。
ところが、3人ともすぐに仕事を辞められる状況ではないというのです。

 

「大学生のバイトでも雇うよ」と言っていたので「私、そのバイトやる!」と申し出ました。

 

私は無類の猫好き。
その猫カフェのオーナーさんは殺処分される猫を救いたくてお店をはじめたのだとか。
私はお給料なんていくらでもいい、という気持ちでした。

 

猫カフェは今までの常連客の他に、友人たちが海外の友人へ案内を送るなどしたためイギリス人やフランス人など外国人が多く訪れるようになりました。
私も始めの頃は、引き受けた翻訳の仕事をしながら猫カフェのスタッフをしていましたが、片手間ではできない仕事だとわかりました。
常に猫ちゃんのトイレや生活環境を綺麗にしておくことや、接客などに思いのほか時間が取られるのです。
翻訳の仕事はよほどお付き合いが深いところ以外断るようになりました。

 

結局私のあまりののめり込みように、友人たちが「ある時払いでいいよ」と共同経営者にしてくれ、4人での経営となりました。
外国人観光客が立ち寄ることで、猫カフェの売り上げは安定しています。

 

正直言って、こんなに充実した日々を送れるようになるなんて夢みたいです。
あの日、学生時代の仲間とのお花見に参加して本当に良かったと思っています。
私たちみんな語学力があるので、それを活かして海外進出するなど他の店舗も経営したいなどと話し合っているところです。

翻訳家からライターへ転職…収入はそう変わらない?

翻訳家として勤務をしていた、現在主婦をしている女性です。
私は独身時代に、翻訳家として勤務をしていました。
元々語学や文学が好きで、英語や韓国語の翻訳を行っていました。
企業に所属して翻訳の仕事だけ請け負ったり、あるいはフリーで仕事を請け負っていました。

 

しかし翻訳家は基本的に儲からない仕事です。
ほとんどが歩合給となっていて、やればやっただけが給料になります。
さらに翻訳の仕事は案件そのものがそれほど多いわけではないので、頑張っても収入が増えることがありませんでした。

 

このため、転職を考えるようになりました。
転職のためにしたことは、他にどんな職業があるか探してみることから始めました。
いくつもの職業がありますが、今までの翻訳家の仕事を生かせる別の職業に就きたいと考えていました。
年齢的にも今から未経験の職業に就く…というのは難しそうだと思いましたし、さらに条件が下がってしまうと思ったからです。

 

私が考えたのはライターへの転職。
翻訳は、文章を翻訳することが主な業務ですが、タイピングも必須なためそこそこ得意でした。
元々文章を書くことが好きなため、ライターの仕事ならば案件も今は豊富なので、翻訳よりは稼げるのではないか…と思いました。

 

そこで転職のために、出版社に応募をしてみることにしました。
最初は嘱託職員という形での就職でしたが、見事採用してもらうことが出来、その後はライターとして勤務をするようになり、雑誌やメディア、ホームページでの記事を書くようになりました。
転職して良かったことはやはり収入がアップしたことと、翻訳の仕事よりも案件自体が多くて、やることがたくさんあることです。

 

今はフリーのライターとして仕事をしていますが、ライティングは色々な仕事があります。
このため、仕事量が単純に増え、その分手取りも増やすことが出来ました。
翻訳はできる言語にもよりますがやはり仕事が限られてしまいますし、仕事がないときには本当にないので、趣味での範囲内なら良いですがそれを本業にしてしまうと厳しい面がありました。
しかしライティングの仕事の場合には、本業でも問題なく稼げるようになったため、その点ではかなり満足をしています。

 

正直辛かったことはライティングも同じように歩合給での給料制度なのでやった分だけ稼ぎを得ることが出来ますが、地道な作業が多く、疲れてしまうことがあります。
ドライアイになってしまったり、パソコンを常に見ている仕事なので、肩こりが悪化してしまうと言うこともあり、悩まされました。
今は退社し、フリーのライターとして自宅で作業をしていますが、今も仕事を定期的にいただいていて、稼ぐことが出来ています。
ライティングの仕事は、案件が多く、翻訳より稼げるので、今のところは続けていきたいと思っています。